清潔なお皿にするために
目次
食器のぬるぬる、どうしていますか?
ぬるぬるの正体
犬の食器のぬるぬるの正体は、「バイオフィルム」と呼ばれる生物膜です。バイオフィルムとは、細菌などの微生物が自身から出す多糖類で構成された、粘状の薄い膜の様な物質の事です。人の歯垢や、シンクの滑りなどもバイオフィルムに当たります。
この膜の様な物質の為、手でこすって洗っただけではなかなか落ちないのです。
なぜバイオフィルムが発生するのか
バイオフィルムが発生してしまうのには、犬の唾液の性質が大きく関係しています。
実は犬の唾液と人の唾液はなんと真逆の性質を持ちます。
唾液のphを比較してみると、人はphが約6.8で、これは弱酸性に当たります。一方で、犬の唾液のphは約8.5となっており、アルカリ性なのです。
犬の唾液と人の唾液の性質の違いには、デンプンをブドウ糖に分解する「唾液アミラーゼ」という消化酵素が大きく関係しています。
この唾液アミラーゼには、デンプンと反応してブドウ糖を生成する作用があります。口内に無数に存在する細菌は、唾液アミラーゼが生成したブドウ糖をエサとする為に分解して酸を生成します。これが人の口内が酸性となるゆえんです。
一方で、犬の口内には唾液アミラーゼが存在しない為、アルカリ性なのです。
なぜ犬の唾液はバイオフィルムが発生するのか
人の唾液では発生しないバイオフィルムが犬の唾液で発生するのは、前項でお話しした唾液の性質が関係しています。
アルカリ性の唾液は、酸性の唾液と比較して細菌が繁殖しやすいことが分かっています。そして、口内で繁殖した細菌が食事の際に食器に付着し、バイオフィルムを発生させます。これが犬の食器がぬるぬるする原因です。
食器用洗剤ではなぜ落ちないのか?
食器用の洗剤は、中性です。
中性洗剤は、手肌へのダメージが少なく、食器に付いた軽い汚れや、食べ物が付着したばかりの汚れを落とすのは得意です。
しかし、この中性洗剤は、犬や猫の食器についた「アルカリ性のぬるぬる」を取るのは苦手です。
バイオフィルムの落とし方
ぬるぬるの原因であるバイオフィルムは、水で擦っても落ちません。ではどのようにして落とすのが良いのでしょうか。
①乾いたもので拭き取る
バイオフィルムは、水に濡れるとぬるぬるとして擦って、落とすのは難しいです。
まずは、水に濡らす前に乾いたティッシュや布で拭き取りましょう。拭き取ることにより、バイオフィルムを破壊することができます。
わんちゃんの食事が終わった後、細菌がバイオフィルムを形成する前に拭き取ることがおすすめです。
②犬の食器用スポンジを使う
犬の食器用スポンジは、洗剤を使用せずに水洗いでこするだけでぬるぬるを落とすことができる物が多くあります。
③クエン酸を使う
犬用の食器には洗剤を使用したくない方も多いと思いますが、クエン酸を用いた洗浄はおすすめです!酸性であるクエン酸を使うことで、すっきりとヌルヌルを落とすことができます。
これはアルカリ性である犬の唾液を酸性のクエン酸が中和してくれるためです。
最後に
お皿のぬるぬるの正体はバイオフィルムというものでした。対策が難しい場合でも、クエン酸や熱湯に漬けておくことで、バイオフィルムを落としやすくなります。
わんちゃんのお皿を清潔に保ち、心地いい生活を送りましょう!
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